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無呼吸症候群 対策からの重大な予告!

いつかは他の施設に行かねばならない・老人保健施設では医療費は定額制であるから、余計な検査や治療を行えば、施設側の負担となる。 だから、入所者や家族側から何か訴えがないかぎり、新たな治療をすることはない。
パーキンソン病などの薬を飲んで、たとえ症状の改善がある場合でも、薬を切られてしまうことも起きている。 私は以前、老人保健施設の施設長をしていたことがある。
そのときに回診をしたら、薬で治療できる患者がどんどん見つかった。 だが、薬を処方すれば経営が赤字になっていくというジレンマに陥り、回診をやめてしまったことがあった。
高齢者医療は、できるだけ治療を行わないほうが、利益が上がる仕組みになってしまったのだ。 お金があれば、有料老人ホームに入所させることができる。
安く入所できる老人ホームができたとはいえ、数千万円の入所金(最近では数百万円という施設も増えてきた)介護保険制度が導入され、デイサービスを利用する人が数多くいる。 デイサービスを頼めば、介護施設から迎えの車が来て、認知症の家族の面倒をみてくれる。
家族も日中手が離れるので、非常に助かる制度だった。 介護施設では体操やゲームなどに参加することがとは別に、必要な諸経費として月々に刈万円前後かかる。

これだけの金を捻出できる家庭はどれくらいあるというのか。 自宅で看るとなれば、家族に影響が出る。
仕事が十分にできなくなり、ヘルパーを余計に頼めば、お金も必要になってくる。 「とにかく税金は使わせない」という厚生労働省の方針によって、家族の負担額は増えるばかりである。
お金の問題だけでなく、肉体的、精神的な負担はますます重くなっていく。 ここでも介護難民が出現し、医療格差は生まれることになるだろう。
金のある人は十分な介護を受けられるが、十分な金がなければ介護保険に頼るしかないからだ。 私たちに今からできることは、介護入院費用つきの民間の保険にでも入るか、しっかり貯金をして備えるくらいしかないのかもしれない。
私が外来で診ている認知症の患者さんにも、デイサービスを利用している人がいる。 始めはまったく拒否的だった患者さんでも、驚くほどその場になじんで、認知症の症状も落ち着いてしまう例がたくさんある。
介護保険制度が2006年の春から変わった。 この変更にともない、従来、介護施設で受けられたリハビリが受けられなくなり、デイサービスに通ってのリハビリには介護保険が適用されなくなった。
介護度が軽い人は介護施設でサービスが受けられなくなってしまったのだ。 毎週定期的にリハビリを受け、なんとか自立していた人もいる。
こうした人のなかには、リハビリを十分に受けられなくなったことにより、運動機能が悪化した例もある。 お金があれば、リハビリを個人的に頼むことは可能である。
できないからこそ、デイサービスなどの施設のサービスに意味があった。 ここにも医療格差が生じはじめている。
介護保険だけでなく、2006年4月から、脳卒中の後に受けるリハビリの期間が最大6カ月に制限されるようになった。 これにはさすがに医療の現場から反対の声が起こった。

免疫学の権威で脳梗塞に倒れた多田富雄さんが中心となり、「リハビリテーション診療報酬改定を考える会」がつくられ、わずか如日余りで、側数万人もの署名を集めた。 他にも多くの反対運動が起こった。
2006年の秋に、全国保険医団体連合会が約23なったことが判明した。 さすがに厚生労働省も、こうした国民の声には沈黙を保っていられなくなり、リハビリの日数制限の緩和を行った。
その対象になるのは、心筋梗塞、狭心症など改善の見込みのある患者、先天性や進行性の神経・筋疾患で、治療が有効と判断された患者などである。 また機能維持に効果があると医師が判断すれば保険適用を認めることになった。
それでもまだ、リハビリの期間が延びれば、診療報酬は下がっていくので、医療機関もある時期になるとリハビリを打ち切ってしまう。 まだまだ患者が十分なリハビリを受けられるわけではない。
やはりこういった措置の裏側には、医療費を抑制したいという厚生労働省の思惑が透けて見えてしまう。 「2020年に医者の数がピークを迎え、医者が余りはじめる」。
厚労省は数年前までそう予測していた。 だから、医学部の定員を減らすことに心血を注いできたが、いまやどこの医療施設でも医者が足りない。
状況がまったく変わってしまった。 医者が足りなくなるという予測自体は、「医者が増えると医者の経営危機になる」という日本医師会の思惑と、「医者を増やすと医療費が上がる」という厚生労働省の算盤勘定が一致し、両者の利害がつくり出したものだといえる。
修医の数が激減し、臨床指導をしてくれる第一線の病院へ行くようになった。 そのために、大学病院では労働力が不足し、周辺の病院に派遣していた医局の医者たちを、本院に戻すようになった。

その結果、周辺の病院から医者が消えた。 ある病院では、総合病院でありながら、循環器の専門医がいないという理由で循環器内科が消滅するという、異常な事態が生じている。
日本医師会と厚生労働省は、そもそもどういう根拠にもとづいて医者が不足することを予測していたのであろうか。 じつは、この予測の手法には大きな問題があった。
医者の数の定義に欠点があったのだ。 海外では、1週間フルに働いている医者を1人とカウントして、統計処理をしている。
日本では、医師免許を持っていることイコールー人として数えていたのだ。 医師免許を持っていても、医者をやっていない人もいるし、高齢になって医院を廃業していくことも多い。
1週間に数日しか働いていない医者もいる。 そのあたりをしっかり考慮して医者の数を算出していなかったのだ。
とくに、大学病院の医者たちは、研究や教育にかなりの時間をとられてしまう。 実際に患者を診ている正確な時間を考慮することが非常に難しい。

大学病院には医者がいながら、実際に臨床をやっている時間は短くなってしまう。 3年以上前に、医者の雇用斡旋の会社を作った社長に会ったことがある。
「医局に転職の話やパートタイムの仕事を説明に行っても、全く相手にされないのですよ」。 そうこぼしていたことを記憶している。
いまや状況が全く変わってしまった。 医師派遣会社に所属して、特定の病院に所属しない医者が増えているのだ。
医者が足りない病院は、こうした医師派遣会社から医者を斡旋してもらい、その労働力に頼らざるをえなくなってしまった。 派遣される医者は、3つくらいの病院の外来だけを週に3日程度やって、それで月収にして100万円くらいの収入になる。
他の日は自分の好きなことをやって生活するという、まるでフリーターのような医者が出現しているのだ。 派遣で仕事をしたほうが責任も少なく、効率がいいし、自分の時間を使えるという考えなのだ。
税金をかけて医者を育てても、最終的に医者として働かない人が増えてくれば、税金の無駄遣いとなる。 いままでは医局や組織からの締めつけがあったために、医者はある程度の規制のなかでしか生きていけなかった。
けれども、医局崩壊から始まった医療の大きな変化によって規制のタガが緩み、どこの組織にも属さない医者たちが生み出されたのだ。 フリーター医者として働くのも、若いうちはいいだろう。

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